代表理事あいさつ

日本コンテンツを世界へ。
海賊版対策はそのはじめの一歩。

 コンテンツ海外流通促進機構 (CODA) は、2002 年にわが国政府の「知的財産立国宣言」を受けて、音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などのコンテンツホルダーが一堂に会し、日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的に、経済産業省と文化庁の支援によって設立された団体です。

 CODAによる海賊版対策の中核である共同エンフォースメント(権利行使)は、2005年1月の香港における海賊版販売店の刑事摘発から始まりました。以来、2025年度までの間に、中国、香港、台湾を対象とした日本コンテンツに関する現地当局の摘発件数は、17,518件、押収された海賊版は約700万本、逮捕者数は3,840名に上っています。こうした長年の取り組みにより、東アジア地域において日本コンテンツの海賊版が街中で堂々と販売されるという事態はなくなりました。
 一方、デジタル化・ネットワーク化の進展とスマートフォンの世界的な普及に伴い、いま大きな問題となっているのが、オンライン上の海賊版サイトです。これら侵害コンテンツは、国境を越えて瞬時に個人ベースで拡散し、若年層を含む幅広い層に罪悪感のないまま浸透・蔓延することが懸念されています。また、匿名性や秘匿性を売りにした国際的なサービスが海賊版サイトの運営を支えており、その実態解明や責任追及を一層困難なものとしています。

 このような状況を踏まえ、CODAでは2021年4月より、経済産業省の支援のもと、国際執行手続きの強化を目的とする「国際執行プロジェクト」(CBEP:Cross-Border Enforcement Project)を立ち上げました。サイバーセキュリティの専門家であるエシカルハッカーの皆さまと連携し、デジタルフォレンジックやオープンソース・インテリジェンスなどの先端的な調査手法を活用して、悪質な海賊版サイト運営者の特定に取り組んでいます。これまでに、世界最大のマンガ海賊版サイト「BATO.TO」をはじめ145の海賊版サイトを閉鎖することに成功し、その経済効果を約8,949億円と推計しています。今後もさらなる効果的・効率的、そして実効性を伴う海賊版サイト対策を推進していきたいと思います。
 また、日本が世界に誇るコンテンツIPに関連する偽キャラクターグッズが世界的に販売され、深刻な被害をもたらしている状況に対応するため、2025年4月に経済産業省の支援のもと、コンテンツIP関係者による「偽キャラクターグッズ対策委員会」を設置しました。海賊版サイト対策と同様に実効性の高い共同エンフォースメント体制の構築を進めています。
 さらに、生成AI時代の本格的な到来により、日本のコンテンツIPが権利者の許諾なく学習・生成されるなど、新たな知的財産侵害が顕在化しています。CODAは、2026年4月より経済産業省の支援のもと、生成AIによる海賊版の実態把握を目的とした調査活動をスタートしました。生成AIを利用した侵害行為の分析や法的課題の整理を進めるとともに、必要な対策や権利行使の在り方について検討を進めています。

 テクノロジーが急速な進化を遂げる現代において、知的財産を保護することはますます困難になりつつあります。CODAは今後も、経済産業省、文化庁、内閣府知的財産戦略推進事務局、警察庁、総務省、外務省・在外公館をはじめ国内外の関係団体・企業の皆さまと叡智を結集し、国際的な海賊版対策および知的財産保護に関する諸事業を推進してまいります。
 皆さまからの変わらぬご支援ご理解をいただきますようお願い申し上げます。

一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構
代表理事 吉村 文雄
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構
代表理事 後藤 健郎
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