調査・研究 ファイル共有ソフトの「現在利用者」は5.8%
~利用実態のアンケート調査結果まとまる~

 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、ファイル共有ソフトによる知的財産権侵害の実態などを把握することを目的としたオンラインアンケートを2010年11月に実施し、このほど、一部の調査結果を速報版として取りまとめました。

 「中学生・高校生」と、中学生・高校生を除く「15歳以上」とに対象を分けて実施したこのアンケートでは、ファイル共有ソフトの「現在利用者」は、両者ともに「5.8%」という結果になりました(参考として、関連団体が実施した同種調査では昨年度(2009年)は9.1%、一昨年度(2008年)は10.3%)。

 利用率低下の要因については、ファイル共有ソフトの利用をやめた人や利用していない人の回答結果から推測すると、「15歳以上」「中学生・高校生」ともに、コンピュータウィルスの感染や情報流出への心配などが、大きな要因となっていることが考えられます。
 また著作権侵害に関する問題も、ファイル共有ソフトの利用をやめた理由としてあがっており、特に「中学生・高校生」ではその傾向が顕著になっています。
 ただし、2010年1月の改正著作権法施行による、いわゆる「ダウンロード違法化」については、「15歳以上」の「やめた理由」や、「15歳以上」「中学生・高校生」の「利用しない理由」としてあげている人は少数であることから、利用率への影響は一定割合にとどまっていることも推測されます。
 一方、やめた理由や利用しない理由として、動画投稿サイトなどの利用をあげる層も一定割合存在していることから、これらの他のオンラインサービスの普及がファイル共有ソフトの利用率に影響を与えたことも考えられます。

 動画投稿サイトなどの利用状況については、「15歳以上」と「中学生・高校生」ともに、9割を超える人が「YouTube」を認知しており、「中学生・高校生」では、98.6%が実際に「YouTube」を見たことがあると回答しています。また、本来ストリーミング視聴が中心である動画投稿サイトからファイルをダウンロードした経験があるのは、「15歳以上」で39.5%、「中学生・高校生」では46.2%に上ることも判明しました。
 なお、著名な動画投稿サイトやオンラインストレージのほとんどは海外の事業者が運営していますが、今回の調査を通じて、国内からの利用状況の一端が明らかになりました。

 改正著作権法の施行については、ファイル共有ソフトの現在利用者ベースで、「詳しい内容まで知っていた」のが、「15歳以上」では13.2%であるのに対して、「中学生・高校生」では19.8%と、「中学生・高校生」の認知度がやや高い傾向が見られました。その一方で、ファイル共有ソフトの利用への影響については、「中学生・高校生」の41.9%が「今後も今まで通り使うと思う」としており、「減る/減らしたい」が45.7%を占めた「15歳以上」とは、大きな差が見られました。

 本アンケートの調査結果(「ファイル共有ソフトの利用に関する調査報告書(速報版)」PDFファイル・646KB)は、こちらからダウンロードできます。

 なお本調査は、CODAの団体会員等である以下の各団体からの協力を得て実施しました。

  ・社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
  ・一般社団法人日本映画製作者連盟
  ・社団法人日本映像ソフト協会
  ・一般社団法人日本動画協会
  ・社団法人日本民間放送連盟
  ・一般社団法人日本レコード協会
  ・日本国際映画著作権協会

●本ニュースリリースに関するお問い合わせ
 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
  広報担当 :坂田(さかた) TEL :03-3512-3906


アンケート調査結果(ポイント抜粋)

1.ファイル共有ソフトの利用状況(報告書P4、P50)

「現在利用者」※1「過去利用者」※2
 「15歳以上」 5.8%12.9%
 「中学生・高校生」5.8%4.8%
 ※1「現在利用者」は、2009年11月以降にファイル共有ソフトを利用したことのある者。
 ※2「過去利用者」は、2009年10月以前にファイル共有ソフトを利用していた者。

 【参考】ファイル共有ソフトの利用をやめた理由・利用しない理由(抜粋)
 (報告書P5~6、P51~52)

「15歳以上」「中学生・高校生」
ファイル共有
ソフトの利用を
やめた理由
セキュリティ関連ウィルス感染が心配だった/ウィルスに感染した1位32.0%1位24.0%
情報流出が心配になった/情報を流出させてしまった3位21.9%11位11.1%
著作権関連著作権侵害の問題がある2位22.1%3位17.8%
2010年1月に著作権法が改正された7位12.6%2位21.9%
他のサービス関連動画投稿サイトを見ればいい4位19.0%7位13.5%
動画投稿サイトからダウンロードすればいい15位7.3%13位9.1%
無料で音楽や映像をダウンロードできるサイトを使えばいい16位6.8%12位9.9%
ファイル共有
ソフトを利用しない理由
セキュリティ関連ウィルス感染による被害にあいたくない/心配1位54.6%1位41.6%
情報漏洩・情報流出などの危険性がある/心配2位43.3%3位31.0%
著作権関連著作権侵害の問題がある8位13.5%9位16.2%
2010年1月に著作権法が改正された19位3.5%18位8.1%
他のサービス関連動画投稿サイトを見ればいい5位18.5%4位23.1%
動画投稿サイトからダウンロードすればいい15位5.2%12位14.6%
無料で音楽や映像をダウンロードできるサイトを使えばいい14位6.3%13位14.4%

2.最もよく利用しているファイル共有ソフト (現在利用者。報告書P22~24、P58~60)

12345
「15歳以上」Winny等
27.9%
Cabos
17.9%
BitTorrent等
15.0%
Limewire
13.0%
Share
10.0%
「中学生・高校生」Winny等
30.2%
BitTorrent等
26.0%
Cabos
17.9%
Limewire
7.9%
Share
6.3%

3.ダウンロード経験のあるファイルのジャンル (現在利用者。報告書P25、P61)

1234
「15歳以上」音楽関連
73.7%
映像関連
45.4%
アダルト
26.3%
ソフトウェア関連
16.5%
「中学生・高校生」音楽関連
88.9%
映像関連
43.3%
ソフトウェア関連
40.9% 
書籍関連
12.7%

4.共有経験率と共有経験のあるファイルのジャンル (現在利用者。報告書P32~33、P68~69)

1234
「15歳以上」
共有経験率 30.9%
音楽関連
73.2%
映像関連
35.9%
アダルト
21.3%
写真・画像関連
9.9%
「中学生・高校生」
共有経験率 26.6%
音楽関連
88.1%
映像関連
27.6%
ソフトウェア関連
13.4%
写真・画像関連
9.7%

5.動画投稿サイト等の利用状況
 動画投稿サイト(報告書P8~9、P11~12、P43、P45~46)

名前を知っている
動画投稿サイト
見たことがある
動画投稿サイト
投稿経験ダウンロード経験
「15歳以上」YouTube 96.6%
ニコニコ動画 77.5%
YouTube 86.6%
ニコニコ動画 42.2%
ある 6.3%ある 39.5%
「中学生・高校生」(質問無し)YouTube 98.6%
ニコニコ動画 67.5%
ある 6.8%ある 46.2%

オンラインストレージ・アップローダー(報告書P14、P48)

利用経験(ダウンロード経験)
「15歳以上」ある 15.9%
「中学生・高校生」ある 15.9%

6.著作権法改正(ダウンロード違法化)の認知とファイル共有ソフトの利用意向
  (現在利用者。報告書P38、P40、P74、76)

「詳しい内容まで知っていた」z今後の利用意向
今まで通り減る/減らしたいやめたい
「15歳以上」13.2%25.3%45.7%29.1%
「中学生・高校生」19.8%41.9%37.7%20.4%

7.ファイル共有ソフトの利用をやめるための要件
  (現在利用者。報告書P41、P77)

法律の規制がより厳しくなったら 利用者の摘発が頻繁になったら 利用者に対する損害賠償請求が頻繁になったらプロバイダから警告メールが送付されたら
「15歳以上」1位55.6%2位29.4%3位23.5%4位17.2%
「中学生・高校生」 1位58.7%2位39.9%3位28.6%4位27.2%

・調査概要

方法:公募を通じて選定した株式会社マーシュに再委託して実施した。
1.15歳以上のインターネットユーザーを対象とした調査
 モニターを活用して行うパソコンによるウェブアンケート方式で実施。
2.中学生・高校生のインターネットユーザーを対象とした調査
 モニターを活用して行うモバイルによるウェブアンケート方式で実施。
対象:1.15歳以上のインターネットユーザーを対象とした調査
スクリーニング調査:
 日本国内に居住し、パソコンからプライベートにインターネットを利用している15歳以上の男女(但し、中学生・高校生を除く)
本調査:
 過去1年以内にファイル共有ソフトを利用した者
2.中学生・高校生のインターネットユーザーを対象とした調査
スクリーニング調査:
 日本国内に居住し、自宅でパソコンからプライベートにインターネットを利用している中学生・高校生
本調査:
 過去1年以内にファイル共有ソフトを利用した者
期間:1.15歳以上のインターネットユーザーを対象とした調査
2.中学生・高校生のインターネットユーザーを対象とした調査
ともに、2010年11月22日(月)~11月29日(月)
有効回答数:1.15歳以上のインターネットユーザーを対象とした調査
 スクリーニング調査… 39,245サンプル
 本調査… 2,280サンプル
2.中学生・高校生のインターネットユーザーを対象とした調査
 スクリーニング調査… 8,746サンプル
 本調査… 504サンプル

以上

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