CODAトップページ » ニュース » 海外での著作権侵害事件 » 「漫画BANK」運営者を摘発。このたび中国で行政処罰が確定

「漫画BANK」運営者を摘発。このたび中国で行政処罰が確定

2022-07-14

中国の重慶市文化市場総合執法総隊は、2022615日、漫画の海賊版サイト「漫画BANK」など複数の海賊版サイトを運営し漫画作品を権利者に無断で配信していた重慶市在住の男性1名に対し、情報ネットワーク伝達権保護条例違反として16,409.52(33万円)の犯罪収益没収および30,000(60万円)の罰金の行政処罰を下し、621日に重慶市万州区人民政府のサイトで発表しました[1]

日本人向けの漫画の海賊版サイトを運営者していた人間に対して海外で処分が下されるのは今回が初めてです。

 

 「漫画BANK」は、日本の漫画作品がストリーミング形式で読める海賊版サイトで、一般社団法人ABJの試算によると、「開設期間中(201911月~202110月)の合計アクセス数は99370万に達し、タダ読みされた金額はコミックス販売価格換算で2082億円相当にのぼる」としています。

 

 KADOKAWA、講談社、集英社、小学館の出版社4社は、「漫画BANK」が利用していたサーバ会社など海外のサービスに対し次々と米国裁判所において情報開示命令を取得し、開示された情報を、「漫画村」事件でご尽力をいただきました福岡県警察のアドバイスも受けて精査・分析を行いました。ここから明らかになった米国通信社などに対しても情報開示申立を行なうなど複数の情報から運営者が中国の重慶市に居住していることを突き止めました。この情報を元に出版社4社は、中国に事務所[2]を持つ一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(以下、CODA)に対処を要請しました。

「漫画BANK」や関連サイトは、中国からは画像が確認できないように地域制限(ジオブロック)を施しており、中国国内からはアクセスすることが出来ず、かつ「侵害実態がない」といった状態でしたが、CODAから中国当局に対し、日本における甚大な被害状況及び、その可罰性や摘発の重要性をまとめた申立書及び各種情報提供に基づき、行政処罰申立てを行ったところ、これが受理されました。

中国で行政処罰を下すうえでの重要要件である「中国の公共の利益を侵害する」に該当するか否かが大きな焦点でありましたが、受理そして処分に至るなどCODAのこれまでの行政申立ての中でも異例であり画期的な事例といえます。また、現地弁護士事務所の見解によると、個人に対する処罰として罰金30,000元は重いものであるとのことです。

 

 もっとも、被害額と比して処分が軽いと思われることから、今後、出版社4社およびCODAはこの侵害行為の全容解明に向けて情報収集に努めるとともに、出版社が受けた被害の回復手段についても検討してまいります。

 

 なお、漫画の海賊版サイト全体については、タダ読みされた金額が2021年の1年間で約119億円に上ると試算されていましたが[3]、出版社らによる尽力で「漫画BANK」関連サイトなどの超大手サイトが完全に閉鎖され、20225月現在では被害は以前に比べると減少しています。しかし、引き続き複数の海賊版サイトがドメインや名前を変えて開設、閉鎖を繰り返しており、これに日本からのアクセスが集中する状況が何度も確認され、予断を許さない状況です。

 出版社、ABJCODAは「STOP!海賊版」などのキャンペーンを実施しており、ユーザーに違法アップロードを行わないことはもちろん、海賊版サイトにアクセスしないように呼び掛けを行っています。

海賊版サイト運営者は、無許諾で漫画をアップロードして膨大なアクセスを稼ぐことで広告収入といった暴利を得ています。つまり、見る人がいなければ、海賊版サイトを運営する意味がなくなります。漫画家、クリエイターの皆さんが新しい素晴らしい作品を作り続けるために、どうか海賊版サイトにはアクセスをしないよう、ご理解ご協力をお願いいたします。

 

 

【出版に関する「STOP!海賊版」キャンペーン】

■転載はバカボン

 https://www.abj.or.jp/tensai-ha-bakabon

 

■「STOP!海賊版」ケロロ軍曹x NO MORE映画泥棒「#7秒で捕まる宇宙人」

 http://www.coda-cj.jp/news/detail.php?id=233

 

■「STOP! 海賊版」漫画全16作品

 http://coda-cj.jp/enlightenment/manga.html

 

ABJマークとは(一般社団法人電子出版制作・流通協議会)

https://aebs.or.jp/ABJ_mark.html



[2] 国家版権局の指導を受け、北京市公安局に登記した事業内容は①日本コンテンツの著作権認証業務、②CODA会員社の著作権保護、③著作権法の調査広報、④中国との著作権分野における交流

[3] 令和4124日総務省「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会(第6回)」ABJ発表資料P.5   https://www.soumu.go.jp/main_content/000789252.pdf


ページトップへ