著作権侵害 台湾:過去最大規模の海賊版を押収、海賊版販売サイトを摘発

 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・桐畑敏春代表理事、株式会社ポニーキャニオン 取締役相談役)に入った情報によると、台湾の内政部警政署保安警察第二総隊刑事警察大隊偵二隊(IPR Police)は、CODAの要請に基づき、11月26日、海賊版販売サイトを摘発するとともに運営していた男女2名を逮捕しました。

 男女が開設していた海賊版販売サイト「優質多媒体影音館」には、日本、アメリカ、韓国などさまざまな国の映画、ドラマ、アニメ、音楽などの海賊版が数多く販売されていました。なお男女は、海賊版の在庫を持たず、注文を受けてから海賊版を作成したり、オートロックのマンション内で製造を行った後に、別の場所で発送を行うなどして摘発を警戒していたことが明らかになっています。

 逮捕同日に行われた家宅捜索では、台中市内の海賊版製造拠点から、複製のマスター、発送前の在庫、複製前のブランクディスクなど50,000枚以上のDVDやCDが押収されたほか、デュプリケーター(DVD・CD複製機)108台、パソコン5台、プリンター5台など、その押収物は過去最大規模のものとなりました。

 IPR Policeの調べによると、逮捕された男女は、毎月80万元(約320万円)以上を稼いでおり、約2年以上にわたり海賊版販売を続けていることから、逮捕されるまでに少なくとも2,000万元(約8,000万円)を売り上げていたとみて調べを進めています。

 台湾では、2011年11月から、CODAやIPR Police、現地の機関などと協力し、店舗や露店などでの海賊版販売に対し繰り返し摘発を行っています。これにより、小規模な海賊版販売店は散発的に見られるものの、大規模な海賊版販売が表立って行われることはなくなりました。一方、オークションやオンラインストレージ、海賊版販売サイトを通じたオンラインでの海賊版販売が少なからず見られるようになっており、IPR Policeもこれを注視しています。

 12月16日には、台中市内のIPR Policeにて記者発表を行い、現地のテレビ局を含む全てのメディアが集まりました。記者発表にはCODAから後藤健郎専務理事と中山威智郎事務局次長が出席し、同警察への謝意を述べるとともに、今後も引き続き台湾における日本コンテンツの権利保護を進めていくことを説明しました。

 なお、この取締りは、経済産業省委託事業の一環として行われました。

押収された海賊版など
記者発表の様子
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