このたびCODAは、主に日本の中高生を中心とした10代の若者たちに向けた、コンテンツの正規流通と著作権侵害に関する本質的な理解促進を目的として、 PBL型教育プログラム「10代のデジタルエチケット」の提供を開始しました。
このプログラムは、これからのデジタル社会の中心を担っていく10代の若者たちが、コンテンツ保護に対して主体的に関わり、自律的に「自分ごと化」して考え、そして個人として必要なことであると理解するための教育プログラムとして、経済産業省受託事業の一環のもとCODAと一般社団法人STEAM JAPAN、そしてCODA顧問弁護士である前田哲男弁護士(染井・前田・中川法律事務所)の監修により開発されました。
コンセプトである「10代のデジタルエチケット」とは、「人のノートを盗み見ない」「人の成果を自分のものと偽らない」「電車で人が嫌がることをしない」などの学校生活や社会生活で当たり前に守られているソーシャルエチケットが、加速するデジタル社会においても同様に重要な作法であるとして、特にデジタル社会の中心を生きる10代の若者たちへの普及を目指していくものです。
■コンセプト動画:https://youtu.be/ZxSF4Ipm7F4
PBL(Project Based Learning)とは、生徒が現実世界に主体的に関わることで自ら問題を見つけ、その解決法を考えるプロセスに焦点を当てた課題解決型学習として、欧米を中心に積極的に採用されている教育方法です。「10代のデジタルエチケット」では「どうすればデジタルエチケットを守れるのか?」をテーマに、なぜだめなのか、どうしたらいいのかを実社会に紐付け、「自分ごと化」して理解し学んでいきます。
プログラム教材は、学校の総合的な学習の時間や、週末の課外授業の時間枠におさまる50分2コマの構成となり、オンライン授業、対面授業どちらにおいてもご活用できる内容です。「10代のデジタルエチケット」特設サイトより、申し込み不要にて、いつでも、どなたでも、無償でご利用いただけます。高校で必履修科目となった「情報Ⅰ」の教科教育において知的財産権や情報モラルを学ぶ際や、自宅での個人の自主学習などにもご活用いただけます。
■特設サイト:https://digital-etiquette-japan.go.jp
CODAでは、プログラム提供の開始にあたり、2023年2月に大分県立大分豊府高等学校と群馬県立高崎女子高等学校の生徒440名に対して実証授業を行いました。授業に参加した各校の生徒からは、「著作権について基本的な内容は知っていると思っていたが、思ったより理解できていないことが多いと気付いた」、「無意識に権利を侵害している可能性があることに気付いた」、「例を見ながら考え、こういう時に自分はどうしようと考える体験を通して、著作権が意外と身近にあることを知った」という声が上がっています。
10代のスマートフォン保有率が上がり続ける中、現実とデジタル社会の境界がどんどんなくなっています。デジタル社会のルールは複雑化し、海賊版サイトを不正なものと知らずのうちに視聴していることが見受けられるようになりました。
子ども、大人、プロ、アマチュア問わず誰もがクリエイターになれる現代において、コンテンツなどの著作物を実社会と結びつけ、その価値を正しく理解することは、日本コンテンツを保護しクリエイターを守り正当な利益を還元していくためにも重要な課題とされてきています。
ぜひ多くの皆さまに「10代のデジタルエチケット」教育プログラムをご活用いただき、学校授業、部活動といった教育現場はもちろん、ご家族、個人といったご家庭などでも、デジタル社会におけるソーシャルエチケット、そして権利・著作権について考える機会としていただきたいと思います。