2024年11月11日(月)から3日間、CODA はスウェーデン・シェレフテオにあるBalder高校で、CODAが2023年より日本国内で展開しているコンテンツと著作権に対する主体的な理解促進を目的としたPBL型教育プログラム「10代のデジタルエチケット」を実施しました。
Balder高校はスウェーデン北部ヴェステルボッテン県の公立高校で、スウェーデンで生まれ育った生徒だけでなく、スウェーデン周辺国、東ヨーロッパ圏、アフリカなどを出身とする多様な文化的背景を持つ生徒が多く通う高校です。このBalder高校で、高校1年生から3年生のさまざまなコースの生徒が「10代のデジタルエチケット」プログラムを受講しました。
本プログラムはBalder高校の図書館司書(ライブラリアン)であるアントン・セーダールンド氏により英語翻訳され、英語とスウェーデン語を交えながら、社会科学のコース、テクノロジーのコース、電気とエネルギーのコースそして国際バカロレア(IB)のコースなどの授業で実施されました。授業では、クイズやグループディスカッションなどを取り入れたプログラム内のワークに対し、活発な意見が交わされるなど生徒からの積極的な参加が見られました。
各コースの担当教諭からは、「今回の授業では、多くの生徒が著作権は私たち全員に関係することだと気づいたと思う」、「生徒たちは自分たちの生活に関連するものを面白いと感じ、とても良い反応を示していた。授業後の生徒たちとの話でも、このワークショップにとても感謝していた」、「スウェーデンにおいてもこのプログラムを改善するための特別な提案はなく、素晴らしいものだと思う」など、大変好評をいただきました。
また生徒からは、「著作権がどこまで適用されるか、特にAIアートに関する議論が非常に興味深かった」、「ネットで見つけた動画を無断で配信してはいけないことを学んだ」、「私が好きな何百万人ものフォロワーがいるYouTuberは、もし著作権が無ければ作品が盗用されていたかもしれない」など、著作権への深い関心や理解、そして権利侵害の問題に関する多くの感想が述べられました。さらには、さまざまな出身国の生徒が多いこともあり、授業後には自分が育った国:イギリス、エルサルバドル、インド、トルコ、そしてスウェーデンなどを比較しながら、著作権が実際にどれくらいそれぞれの国で守られていたかについて意見が交わされました。
海賊版問題やコンテンツの権利について主体的に学ぶ教育・啓発のアプローチとして、CODAは2022年度に学校内で用いることのできる本プログラムの企画・開発をし、その後、国内の各校でプログラムの実践を行ってきました。今回、日本の教育プログラムが北欧の教育大国でありICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の先進国、また多様性と主体性を重視するスウェーデンの教育現場で活用されたのは初めてのケースです。
CODAはこれからも引き続きデジタル社会におけるコンテンツ保護、海賊版対策に対する取り組みを着実に実施してまいります。
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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。