著作権侵害 台湾:不正ストリーミング視聴機器の販売グループ12名を起訴

 CODAに入った情報によると、桃園地方検察署は、内政部警政署刑事警察局(CIB)知的財産権偵査大隊が、2023年8月以降複数回にわたって実施した一斉捜査により逮捕・送致されていた、不正ストリーミング視聴機器(ISD) 「小雲機上盒」の販売グループ計12名について、このほど捜査を終結し正式に起訴しました。これを受けて2025年10月20日、CIBは刑事警察局本部にて本件に関する記者発表を行いました。
 本件は、現地の衛星放送テレビ事業者15社からの刑事告訴に加え、台湾の捜査機関よりCODAに対し協力要請があり、CODA会員社の協力のもと日本の放送番組に関する権利侵害を確認し、会員社が刑事告訴を行っていたものです。

 知的財産権偵査大隊は、2023年8月、2024年8月、2025年4月にかけて複数班に分かれ、桃園市桃園区、台中市西屯区・南区、新北市中和区などで一斉に家宅捜索を実施しました。その結果、被疑者計12人が逮捕され、パソコン本体4台、ノートパソコン1台、携帯電話7台、「小雲機上盒」455台など、合計931点の証拠品を押収しました。捜査によると、被疑者らは「小雲機上盒」約8,000台を販売し、不当利益は約2,400万台湾ドル(約1.2億円:2025年10月現在)に上り、被害額は約11億台湾ドル(約54.2億円)と推計されています。また、当該グループは、輸入、販売、技術サポートなど役割を組織的に分業し、インターネット上で広範に販売を展開することで追跡を困難にしていたことが明らかになりました。さらに、SNS上にグループを設立し、「小雲機上盒」専用の違法アプリの使用方法に関する投稿も行っていたことが確認されています。

 今回の事件を受け、CIBはISDや違法アプリでの視聴による著作権侵害行為に加担しないよう注意を呼びかけています。
 CODAでは、今後の刑事裁判で明らかになる事件の詳細について注視するとともに、引き続き台湾の捜査機関と緊密に連携し、日本コンテンツの保護に向けた取り組みを継続してまいります。

 なお、この活動は、経済産業省受託事業の一環として行われました。

押収されたISDほかの機器類
知的財産権偵査大隊(偵二隊)林健志隊長

■ 逮捕時の参考リリース:
台湾:違法テレビ視聴アプリおよび不正ストリーミング視聴機器を刑事摘発、2事件の運営者など計11名を逮捕
https://coda-cj.jp/news/1673/

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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