コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、香港税関等との協力の下、「CJマーク」を無断転載している海賊版DVD、CD等の摘発に初めて成功しました。これまでの海賊版の摘発は著作権侵害によるものが中心でしたが、「CJマーク」のように特定国の業界団体が統一マークを用いて商標権侵害で摘発を行うのは世界でも初のケースです。CODAではこれまでの著作権侵害での摘発に加え、今後ともCJマークを活用した商標権侵害での摘発に注力してまいります。
摘発概要
- 摘発日時: 2008年2月20日、午後5時から6時
- 摘発主体: 香港税関(担当官約30人による家宅捜索)
- 摘発地域: 香港の旺角(Mong Kok)、元朗(Yuen Long)、湾仔(Wan Chai)の3地域
- 摘発対象: 日本のアニメーションの海賊版販売店3店舗(各地域各1店舗)
- 摘発成果: 男性従業員3名を拘束、海賊版商品10,615枚(香港税関による試算では被害総額17万6,570香港ドル(約250万円相当)を押収
今回、香港税関が押収した海賊版商品のうち、日本のコンテンツ(アニメ、音楽など)は2,422枚に上り、その約半数がCJマーク委員会の会員企業のコンテンツでした。中でもCDに関しては、押収された日本のコンテンツ商品のすべてがCJ会員社の商品でした。
さらに、CJマーク委員会会員企業のコンテンツのうち、「超劇場版ケロロ軍曹」、「時をかける少女(劇場用アニメ版)」、「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-」、劇場版「犬夜叉 天下覇道の剣」および劇場版「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島」(関係するCJマーク会員企業は、角川映画(株)、(株)角川書店、(株)サンライズ、(株)テレビ東京、讀賣テレビ放送(株))の海賊版DVDについては、それぞれ、正規品のパッケージに印刷されたCJマークがそのままコピーされていたため、これらの海賊版については初めて、CJマークの商標権侵害として摘発し、21枚が押収されました。
CODA・CJマーク委員会が運用する「CJマーク」は、日本のコンテンツであることを証明するマークとして、2005年からアニメ、映画、テレビ番組、音楽、ゲーム、玩具、書籍等の様々な日本のコンテンツ関連商品で活用されています。CJマークの活用により、海賊版業者をCJマークの無断複製・利用による「商標権侵害行為」で摘発することが可能になり、著作権侵害での立件よりも簡易で迅速な摘発が可能です(注)。CODAでは、CJマークによる「商標権侵害行為」の摘発を海賊版問題に対する新たな対処策と考えており、既に日本、米国、EU、香港、韓国、台湾などでCJマークの商標登録を行っています。
(注)著作権侵害として立件する場合、特に海外では、正当な著作権者であることを証明する目的で、捜査機関から登録などの著作権の帰属に関する書類の提出を求められたり、悪質な海賊版業者などが訴訟において著作権の帰属の有無を争うケースも絶えません。著作権は、登録を行わなくても権利が発生することが国際条約で定められていることから、実務上必ずしも登録が行われていない状況にありますが、実際に海外で海賊版対策を行う際には、このような著作権者であることの証明が障害となる点が問題視されていました。