一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・桐畑敏春代表理事((株)ポニーキャニオン 取締役相談役))に入った情報によると、香港の知的財産に関する捜査機関である香港税関は、2015年9月8日、CODAの要請に基づき、香港湾仔(ワンチャイ)「東方188商場」に所在する4軒の海賊版販売店の取締りを行い、31~50歳の男性3人を逮捕しました。
この取締りの結果、700,000香港ドル(約1,000万円)相当と見られる30,000枚以上の海賊版が押収され、その多くが日本のアニメ、ドラマ、映画などでした。
香港税関はこれまで、九龍(カオルーン)半島の旺角(モンコック)地区で有名な海賊版ビルとして知られていた「信和中心」の海賊版販売店舗を繰り返し摘発しており、大規模に海賊版を販売する店舗はほぼ一掃されています。
一方、香港島側の湾仔(ワンチャイ)に所在するビル「東方188商場」は、アニメのキャラクターグッズなどの専門店が数多く軒を連ねている商業施設ですが、「信和中心」の度重なる摘発に伴い、海賊版販売の中心がここに移りつつありました。
CODAおよび、CODAと協力して現地の著作権侵害対策を行っている民間団体HKISA (Hong Kong International Screen Association Limited)の要請を受けた香港税関は、今回、特別捜査チームを結成し、慎重に内偵捜査を重ね、「東方188商場」内で海賊版を販売する4店の一斉取締りを実施しました。
なお取締りが行われた8日の午前、CODAは香港税関の捜査員を対象に、トレーニングセミナーを開催し、80人が参加していました。このトレーニングセミナーは、文化庁の委託事業でCODAが著作権侵害発生国の捜査機関職員等に対し、著作権や日本のコンテンツに関する情報を提供することで、当該国や地域における日本コンテンツの海賊版取締りの実効性を高めることを目的として実施しています。2005年から開始してこれまでの間に、中国、香港、台湾、インドネシアなど約6,000人に対して講義を行っています。
今回の取締りは、まさにこのセミナーが行われた直後に実施されたもので、これまで約10年にわたり実施してきたトレーニングセミナーの成果が、海賊版撲滅の一助になっているものと確信しています。
なお、この取締りは、経済産業省委託事業の一環として行われました。
【参考】
・香港政府広報(広東語)