一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・島谷能成代表理事/後藤健郎代表理事)は、中国・上海の上海市長寧区の日本人街において日本人向けに大量かつ大々的に海賊版を販売する悪質三店舗について、上海市の公安当局に刑事投訴(告訴)した結果、昨日2018年12月4日、上海市の公安当局によって刑事摘発が行われました。
中国で、日本コンテンツの海賊版販売店の摘発について、CODAの訴えによって刑事手続きが行われるのは今回が初めてのことであるとともに、これら悪質店舗は2011年から再々にわたり行政摘発(※1)を行っていたにもかかわらず廃業に追い込むことができなかった事例で、CODA悲願の刑事摘発であり今後の著作権侵害対策の重要な先例となりました。
今回、刑事摘発された店舗は、いずれも多くの日本人が滞在する街として知られる
- 長寧区虹梅路に所在する「渋谷タワレコ MOVIE SHOPS」、
- 長寧区黄金城道に所在する「MOVIE STAR 星之影」、
- 長寧区虹橋路に所在する「MOVIE STAR」
の3店舗となります。
今回の強制捜査の結果、日本コンテンツ作品(テレビドラマ、バラエティ、アニメ、映画、音楽など)に係る「75,170枚」の海賊版等が押収され、海賊版販2社の責任者2名の身柄が拘束されました。
これら店舗に対してCODAは、2011年から2016年にかけて、行政手続き(行政投訴)による行政摘発を30回以上に渡り、繰り返し行ってきました。これまでに日本コンテンツ作品の海賊版45,594枚が没収され、罰金として411,000元(約670万円)などが科せられていました。
しかし、これら店舗は、何ら影響を受けることなく大規模かつ悪質な営業を継続し、CODAとして廃業に追い込むことができなかったため、2016年に行政手続きから刑事手続きに方針を切り替え、上海市の公安当局に刑事摘発を切望してきました。
近年では、国際的にも海賊版サイトなどのオンライン上における権利侵害行為が注目を集めていますが、上海を含む東アジア、ASEANなど、海賊「盤」についても未だ大規模な販売が続けられている地域が存在します。
また、今回の摘発された上海市の店舗で販売されていた海賊版を日本に輸入し日本のオークションサイトで販売していたとして、2015年に福岡県警などの合同捜査本部が、中国人・日本人の合計7人を逮捕した著作権法被疑事件も発生するなど、オンラインを通じて海賊版が世界中に拡散される事実も確認されています。
CODAは、これら悪質な店舗の根絶に向けて、中国政府との連携を強化し、著作権侵害対策を進めてまいります。
- 中国では、著作権侵害については、売上額や海賊版の数など一定の閾値を超えた案件についてのみ刑事手続きに付される仕組みで、具体的な売上額や海賊版の数量を把握するためにもまずは行政手続き(行政投訴)を行うことが一般的となっている。