CODAに入った情報によると、2021年4月7日、台湾・台湾新北地方検察署、刑事警察局電信捜査大隊(第三隊)、新北市警察局刑大科捜査隊、保二総隊刑事警察大隊は、「TvPay」と称する違法映像配信プラットフォームを通じ、インターネット上に違法にアップロードされた動画を視聴できるようにしていたとみられる責任者やエンジニアら合計7人を逮捕し、4月29日に記者発表を行いました。
発表によると、「TvPay」は台湾で独自に開発されたプラットフォームで、ウェブに加え、アンドロイドスマートフォンやセットトップボックスでも視聴できると宣伝していました。事業者は、「TvPay」の公式アプリを使えば、台湾のすべてのテレビ番組、日本や韓国のドラマや映画を、市場価格よりも大幅に安い、月額66台湾ドル(約258円)から82台湾ドル(約320円)で視聴できると謳っていましたが、実際には公式アプリと連動する違法アプリを通じて、これらの動画を視聴可能化していたものです。
捜査機関からの協力要請を受けたCODAでは、会員社の協力により、日本の放送番組の権利侵害を確認していました。
台湾では、ISD(不正ストリーミング視聴機器)の普及が問題となっており、捜査機関がタスクフォースを組織して捜査を実施しています。
今回の「TvPay」に対する捜査においては、新北市のある商業ビルの運営拠点に対して家宅捜索が行われ、責任者を含む7人の容疑者が逮捕、アプリやウェブのプログラムコード、コンピュータ15台、クラウドサーバー22台、セットトップボックス468台、保存されていた動画ファイル84,683本などが押収されました。 本件の被害相当額は、約4億8千万台湾ドル(約18億7千3百万円)以上に上るとみられています 。
容疑者らは有名YouTuberとコラボした映画レビュー動画を配信し、そのなかで10年間無料で利用できるコードを抽選でプレゼントするなどの大胆な広告を実施して集客を行っており、利用者の多くが結果的に海賊版コンテンツにアクセスしていることに気付かなかった可能性もあります。
今回の事件を受け、台湾警察は改めて、違法セットトップボックスや違法アプリの販売、動画の無断配信は法律に違反する行為であることを注意喚起しています