2023年3月24日、中国・北京において、CODAと中国版権協会、中国国家版権創新基地との共催により「日中ライセンスビジネス交流セミナー」を開催しました。
今回が第一回目となる本セミナーは、日中のライセンス分野の実務担当者や著作権保護の専門家にご講演いただき、中国におけるライセンスビジネスの現状や課題、そして著作権保護などについて広く最新の情報をご提供するとともに、日中両国のライセンスビジネスにおける文化交流を目的としたものです。
セミナーは現地のリアル会場に加えて、オンライン参加も可能としたハイブリッド形式により開催され、現地会場では中央宣伝部版権管理局弁公室副主任の向非凡氏をはじめ政府機関関係者、権利者、業界団体、一般企業関係者、法曹関係者、教育関係者など約70人、オンラインではCODA会員や日中の一般の権利者他からも広く参加者を募り、約200人の聴衆にご参加いただきました。
当日のセミナーでは、中国版権協会常務副理事長の于慈珂氏、経済産業省コンテンツ産業課長の渡邊佳奈子氏から、開催にあたりごあいさつをいただきました。
続いて、経済産業省コンテンツ産業課課長補佐の宮野彩季子氏から「コンテンツ産業政策の現状及び方向性について」と題して、コンテンツの時代となった現代における海外展開支援と、その両輪としての海賊版対策に対する官民連携した課題解決の取り組みについてご講演いただき、中国文化IP及び創新設計展示会創始者・キュレーター・小象智合取締役会長の陳彦氏より「中国のIP産業発展の現状及び展望」と題して、伝統文化などの文化的シンボル「文化IP」を活用した多様なコラボレーション展開による革新性についてご講演いただきました。
また、IP FORWARDグループCEOの分部悠介氏から「日中間におけるコンテンツライセンスビジネスの最新事情」と題して、日中間の商慣習の違いの理解と尊重を前提としたビジネスの進め方について解説をいただき、北京凱声文化伝媒有限責任公司公共事務部副社長の王希光氏から「凱叔講故事――中国人の子供時代を伴うブランド」と題して、子供向けの読み聞かせコンテンツ・ブランドのプロジェクト展開についてご紹介いただきました。
さらに、中国映画関連グッズ産業研究院首席専門家・小鶏磕技CEOの靳鑫氏より「中国におけるコンテンツIPのインキュベーションと成長」と題して、伝統的な「文化IP」の若者に向けた商品化権コンテンツの展開などをご紹介いただき、義烏文化用品産業協会会長・アジア太平洋地域文具協会連盟主席の黄昌潮氏より「『世界の小物商品都市』義烏市が文具業界と共に目指す『質の高い発展』への道筋」と題して、義烏市の文具産業の最新情報をご報告いただきました。
そしてCODA代表理事の後藤健郎より「日中間IPライセンスビジネスにおけるCODAの役割」と題して、CODAの中国における日本コンテンツの著作権認証機構としての事業展開、および著作権認証機構を必要とする日本コンテンツ業界の特殊な背景について紹介させていただき、また、中国版権協会会員権益保護センター副主任の劉政操氏より「テクノロジーによる著作権クリエイティブ産業の発展」と題して、版権協会によるブロックチェーン、ビッグデータ、AI等の新しいテクノロジーを活用した著作権管理と保護システムのプラットフォーム提供についてご講義いただきました。
最後に、司会の中国版権協会副理事長兼秘書長の孫悦氏より、「中国と日本両国の質の高いIP創出とライセンスビジネスの発展、そしてデジタルリテラシーの向上のために、今後も有効な協力関係を築き共に躍進していきたい」との総括をいただき、中国のライセンスビジネスの状況と今後の発展について学び、日中両国の未来に向けたビジネス展望を描く貴重な機会となりました。
なお、この活動は、経済産業省受託事業の一環として行われました。