著作権侵害 無許諾サブスク風サイト運営者を中国で初の一斉刑事摘発 2事件の運営者ら計13名を相次いで逮捕

 中国江蘇省の公安局は、合法ストリーミングサービスを悪用する形で無許諾サブスク風サイトを作成し、ライブラリー内の動画を視聴するためのアカウント情報を販売していた2つの事犯について、2024年1月から6月にかけて一斉摘発を行い、運営者など13名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
 今回の一斉摘発は、2023年12月と2024年4月に、2つの事犯についてそれぞれCODA北京事務所が日本の権利者に代わり公安局に刑事告発を行い実行されました。このような海外における無許諾サブスク風サイト運営に対して、日本(CODA)からの刑事告発で運営者が刑事摘発されたのは今回が初めてです。
 また、2つのサブスク風サイトはいずれも中国において、日本人向けではなく中国の現地視聴者向けに運営されており、近年、被害拡大が顕在化している「海外発海外向け」のオンライン侵害でした。「海外発海外向け」の海賊版サイトについては、2024年6月4日、知的財産戦略本部が公表した「知的財産推進計画2024」においても喫緊の課題として対応が重要視されています。

 まず1件目の事件として、2024年1月8日、中国江蘇省泰州市の公安局は、捜査官など54名を重慶市、江蘇省、山東省、上海市、河北省、安徽省に派遣し、複数の被疑者に対して各地で一斉に家宅捜索を行いました。家宅捜索により、アニメを中心とする大量の日本コンテンツを権利者に無断で複製し、合法サービスである個人用メディアサーバーにアップロードしてさまざまなデバイスからのストリーミング再生を可能にしたサブスク風サイト「深藍(シェンラン)」が開設・運営されていることが判明しました。捜査の結果、「深藍」を運営し、Webサイトおよびアプリから「深藍」にアクセスするためのアカウント情報を自身が運営するWebサイトなどで販売していた重慶市在住の主犯格の男性A(36歳)をはじめ計10名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
 また、家宅捜索ではノートパソコン9台、デスクトップパソコン2台、サーバー2台、携帯電話11台、複数の記憶装置などが押収され、「深藍」の管理アカウントやパスワードなどを入手の上、サーバーの全てのデータが証拠として保全されました。
 なお、1月24日に湖北省でもう1名の被疑者が逮捕され、「深藍」の運営に関わったとされる逮捕者は現在計11名に上っています。

無許諾サブスク風サイト「深藍」内の様子(2023年12月時点)
主犯格の家宅捜索現場の様子

 公安局の捜査により、「深藍」では日本、アメリカ、イギリス、フランスなどの映画、アニメ、テレビドラマ、ドキュメンタリー、コンサートなど1万作品以上のコンテンツがストリーミング再生可能となっており、日本コンテンツにおいて侵害の多かったアニメ作品については1,008作品(2万1,981話)の掲載が確認されています(2023年12月時点)。
 「深藍」は2021年1月に男性Aにより開設され、その後インターネット上で知り合った男女らと共謀の上、技術、メンテナンス、アップロード、アカウント販売、カスタマーサービスなどの役割を分担し、2024年1月に逮捕されるまで運営されていました。アカウント情報は視聴可能な期間や画質などに応じて1サインインあたり98元(約1,960円)から1,068元(約2万1,360円)で販売され、「深藍」の運営により不当に得た収入は500万元(約1億900万円)相当であることが判明しています。

 続いて2件目の事件として2024年6月5日、「深藍」の被疑者男性Aの証言を基に、中国江蘇省揚州市の公安局は、捜査員およびサイバーセキュリティの専門家など11名を被疑者兄弟の自宅や職場に派遣し家宅捜索を行いました。家宅捜索により、アニメを中心とした映画、テレビドラマなどの大量の日本コンテンツを権利者に無断で複製し、「深藍」と同様の手口でサブスク風サイト「COCO」が開設・運営されていることが判明しました。捜査の結果、「COCO」を運営し、「深藍」と同様にWebサイトおよびアプリからライブラリー「COCO」にアクセスするためのアカウント情報を自身が運営するWebサイト及び別のECサイトで販売していた浙江省温州市在住の男性B(44歳)と男性C(46歳)の兄弟を著作権侵害の疑いで逮捕しました。
 家宅捜索ではPC、サーバー機器などを押収し、「COCO」の管理アカウントやパスワードなどを入手しサーバーの全てのデータが証拠として保全されています。

無許諾サブスク風サイト「COCO」運営者家宅捜索現場の様子
押収されたサーバー機器

 公安局の捜査により、「COCO」には10万話以上のコンテンツがストリーミング再生可能となっており、日本コンテンツにおいては約2万話のアニメを中心とした映画、テレビドラマなどのコンテンツが掲載されていました。          「COCO」は2021年5月に男性Bにより開設され、主な運営やメンテナンスなどは男性Bが担い、2023年12月から兄である男性Cも仲間に引き入れる形で2024年6月に逮捕されるまで運営されていました。「COCO」の運営により不当に得た収入は400万元(約8,670万円)以上であることが判明しています。

 今回、泰州市および揚州市の公安局の迅速な捜査により、短期間で運営者の身元が特定され被疑者の逮捕に至りました。 
 CODAは、被害を受けた権利者であるCODA会員社と連携の上、今後の捜査についてもCODA北京事務所を中心に積極的に協力を行っていきます。また、起訴後の刑事裁判で明らかになる事件の詳細についても注視し、厳重な刑事処罰を求めてまいります。

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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