宮城県警察本部と登米警察署は、2024年10月29日、権利者に無断で映画などの著作物のストーリー全容を文字起こしし、関連画像と合わせて記事を作成した上、自社が運営するサイトAに掲載していたとして東京都渋谷区在住の会社経営者の男性ら3名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。日本で映画などの文字抜き出しサイトで運営者らが逮捕されたのは今回が初めてとなります。
男性らは、2023年1月~2024年2月の間、東宝(株)らが著作権を有する映画「ゴジラ-1.0」ほか1作品、(株)KADOKAWAらが著作権を有するアニメ「オーバーロードⅢ」の作品内に描かれている登場⼈物の名称、セリフ・動作、情景、場⾯展開などのストーリー全体の克明な内容を権利者に無断で文字起こしし、関連画像と合わせた記事をサイトに掲載して広告収益を不当に得ていました。
本件は宮城県警の捜査をうけ、CODAにおいて被害権利者の取りまとめをし、今回の摘発に至ったものです。警察の捜査の結果、会社経営者と従業員が共謀して組織的に著作権侵害行為を行った上で、営利目的で当該サイトを運営し多くのアクセスを集めていたことが分かっています。
以前より、映画などの文字抜き出しサイトは数多く確認されており、いわゆる「ネタバレサイト」として問題視されています。これらの行為は、コンテンツそのものをアップする海賊版サイトや違法アップロードと比較して侵害の程度が軽微に捉えられる傾向にありますが、引用の範囲を超える明らかな著作権侵害であり、重大な犯罪です。
映画などの文字抜き出しサイトの問題点は、コンテンツに正当な対価を支払う意欲を低下させ、正式な本編映画などを見ないことにも繋がり、権利者に多大な損害を与えます。また、クリエイターらが時間、労力、費用をかけて制作したコンテンツを侵害し広告収入を不当に得る行為は極めて悪質であり、決して許されることではありません。
CODAでは今後の取調べや刑事裁判で明らかになる事件の詳細について注視するとともに、引き続き著作権の適正な保護に努め、同様のサイトにおける有効な対策を講じてまいります。
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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。