中国河北省石家荘公安局は、2025年2月11日、中国国内ユーザー向けに日本アニメなどを配信する海賊版サイト「ZzzFun(zzzfun.one)」と、同名のアンドロイド型スマートフォン用アプリを運営する中国遼寧省の男性を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
2024年10月15日に実施された男性宅の家宅捜索やその後の取り調べにより、男性は2022年より権利者に無許諾で日本アニメなどを大量に配信する海賊版サイト「ZzzFun」と同名のアプリの運営を開始し、当該サイトから当該アプリにユーザーを誘導するなどしていたことが分かりました。また、男性はサイトおよびアプリ「ZzzFun」に日本コンテンツだけでも約1,800話のアニメを権利者の許諾なくアップロードしており、「ZzzFun」の運営により、逮捕されるまでに約33万元(約700万円:2025年2月時点)の広告収益を不当に得ていたことも判明しています。


本件は、2024年5月にCODA北京事務所が日本の権利者に代わり公安局に刑事告発を行い実行されました。今回、CODAに刑事事件化の要請を行ったのは、株式会社アニプレックス、株式会社KADOKAWA、キングレコード株式会社、株式会社講談社、株式会社小学館、株式会社スクウェア・エニックス、株式会社テレビ東京、東映アニメーション株式会社、東宝株式会社、日活株式会社、株式会社ハピネットファントム・スタジオ、株式会社フジテレビジョン、株式会社ポニーキャニオンの計13社です。刑事告発に当たっては、各権利者がCODAが2023年3月より運営する権利者照会データベース(※)を利用して、「ZzzFun」に掲載されていた作品の被害確認をするなど刑事告発に向けた協力を行いました。
本件のような日本人向けではなく中国の現地視聴者向けに運営される「海外発海外向け」のオンライン侵害は近年被害拡大が顕在化しており、知的財産戦略本部が今年度に公表している「知的財産推進計画2024」においても喫緊の課題として対応が重要視されています。
今回、河北省の公安局の迅速な捜査により、短期間で運営者の身元が特定され被疑者の逮捕に至りました。CODAは、被害を受けた権利者であるCODA会員社と連携の上、今後の捜査や起訴後の刑事裁判で明らかになる事件の詳細についても注視し、厳重な刑事処罰を求めてまいります。
※CODA会員のコンテンツが中国において侵害された際、「権利保有の有無」および「権利許諾の有無」の確認など、中国公安局等からの捜査協力依頼への対応を正確かつスピーディーに作業できるよう構築したシステム
ーーーーーーーーーーーーーーー
CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。