2025年3月10日、昨年開催した「10代のデジタルエチケット CREATIVE AWARD 2024」においてグランプリを受賞した新潟県立高田高等学校の井口穂香さんと、本AWARDの審査員でありバーチャルヒューマン企業のプロデューサーであるジューストー沙羅氏との特別セッションをオンラインで実施しました。
今回の特別セッションは、本AWARDへの参加により自らも作品制作を行った井口さんに、実際にプロとしてクリエイションの現場に携わるジューストー氏との対話を通じて、コンテンツ制作における発想の源を体験いただくことを目的にトークセッションを企画したものです。事前に井口さんにジューストー氏に聞いてみたいことを尋ねたところ、クリエイションや仕事への向き合い方などのコンテンツ制作に関わることだけでなく、現在17歳の井口さんが真摯に向き合っている「人生とは何か」、「人間や社会とは何か」といった問いも多く集まりました。
● 17歳の自分に伝えたいことはありますか?
● どんな世界が見えていますか?
● どんな時に幸せを感じますか?
● 「創る」と「壊す」は対義語?それとも同義語?
● 「人間の可能性」ってどういうものだと思いますか?
● 自分のお仕事をどのように捉えていますか?
● 人が人であることの所以って何だと思いますか?
トークセッションでは、井口さんからジューストー氏にこれらの問いが出た背景をお話しいただき、それを受けてジューストー氏にお答えいただきながら対話を進めました。対話を通じて、想像・空想の世界についてのお二人の関心や、それを人間の可能性として信じていくことなどが共有され、さらには人が創造したコンテンツを共有し、共感することが人に与える幸福感についても話が及びました。
また、井口さんからバーチャルな世界とリアルな世界についての考えを発表いただきました。デジタル社会においては、「不確かだから粗末に扱っていい、バーチャルだからこそ傷つけてもいいのではなく、その中にある真実を一人一人が自分で確認していくことが大切」であり、「リアルと言われている社会は、不確かなものの中にある確かさを皆で確認していく過程の上で成り立っている」として、リアルとバーチャルが混ざり合ったデジタル社会においてもそれは同様であるとお話しいただきました。
それを受けてジューストー氏からは、メディアの多様性によって「信じるものが不確かになった今、個々人が信じられるものが真実になっていく」として、デジタル社会において「ひとりひとりがリアル(真実)とは何かを追求することで新しい世界が生まれていく」とお話いただきました。


最後に井口さんからは、クリエイティブの最先端で活躍するジューストー氏のお話を聞けて大変貴重な機会となったと感想が述べられました。
「10代のデジタルエチケット」は、互いの顔が見えにくいデジタル社会において、「どうすればデジタルエチケットを守れるのか?」をテーマに、コンテンツを取り巻く諸課題について「なぜ問題なのか」「どうしたらいいのか」を自分ごと化して考えるプロセスを提供する教育プログラムです。お二人の対話の中では、メディアが多様化する中においても、人の持つ可能性が社会と文化を築くことや、この社会・文化を壊すのも守るのも人であることが語られました。
CODAは、これからも教育プログラムやイベントなどを通じて人と人が関わり合って創るコンテンツへの理解を深めていただく機会を広く提供し、コンテンツの保護と正規流通に向けた取り組みを実施してまいります。
【ジューストー沙羅氏】
1995年生まれ。日本生まれ、アメリカ、カナダ育ち。アジア初のバーチャルヒューマン企業であるAww Inc.のプロデューサーとして、本国のTEDトークで登壇したり、Forbes Japanの「30under30」にも選ばれた先駆的な女性リーダーとして活躍。日本、アメリカ、カナダで生活し、日本文化への深い理解も持ちながら、クリエイティブ業界とテクノロジー業界のユニークな架け橋となり、300万人のフォロワーを持つ世界中の人々に、バーチャルな人間immaを始め数多くIPを届けている。
■参考リリース:「10代のデジタルエチケット CREATIVE AWARD 2024」グランプリが決定!
https://coda-cj.jp/news/2202/
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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。