2024年11月15日、CODA はスウェーデン出張時にストックホルムにあるスウェーデン知的財産庁(PRV)を訪問し、海賊版によるコンテンツの侵害実態や課題、また今後の連携などについて意見交換を行いました。
会合にはPRVのヨハン・ウェストバーグ氏(シニア・ビジネス・アドバイザー)、ソフィー・グレットヴ・フォン・ローゼン氏(リーガルアドバイザー)にご参加いただきました。
CODAからは湯口太郎事業担当部長が参加し、日本コンテンツの保護と流通促進に向けた取り組みの近況報告を行うとともに、この度のスウェーデン訪問で実施したシェレフテオのBalder高校でのPBL型教育プログラム「10代のデジタルエチケット」の事例についても情報共有し、教育・啓発コンテンツを通じた今後の連携についてお願いさせていただきました。
PRVのウェストバーグ氏からは、PRVの現在の体制と今後の展望についてご紹介いただきました。PRVは、スウェーデンの起業家や中小企業などが無形資産を管理することによって成長を促進するとともに、特許、商標、意匠の申請手続きが行えるように支援することを目指しています。また、著作権侵害への対策を講じるとともに、著作権侵害が社会、企業、消費者に及ぼす悪影響についての意識向上に取り組んでいます。
また、ローゼン氏は、著作権侵害への対応はスウェーデン国内にとどまらず、EU全体で取り組む必要性があることや、コンテンツ産業を守る上での官民連携の重要性に言及されました。さらにCODAについて、コンテンツホルダーおよび関連省庁などの多方面のステークホルダーと連携を取りながら、エンフォースメントから教育・啓発に至るまで、コンテンツ保護に関する幅広い取り組みを行っていることを高く評価いただきました。

現在、スウェーデンにおいても日本と同様にコンテンツの違法ストリーミング、AIに関連した著作権の考え方の整理、海賊版サイトによる権利侵害が大きな問題・課題となっています。今回はCODAからスウェーデン知的財産庁への初めての表敬訪問となり、PRVの皆さまと大変有意義な機会を持つことができました。
ーーーーーーーーーーーーーーー
CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。