著作権侵害 中国国内向け日本アニメの海賊版サイト「櫻花動漫」運営者に有罪判決が確定

 中国国内向けに日本アニメの海賊版サイト「櫻花動漫 imomoe.ai」を運営し、2023年10月14日に中国四川省成都市公安局に刑事摘発された男性に対し、2024年12月13日に開かれた第一審裁判において、四川省成都市天府新区人民法院は、著作権侵害罪で懲役2年、罰金1万元、私文書偽造罪で懲役7ヶ月、罰金5千人民元を併せて懲役2年3ヶ月、罰金1万5千元(約31万円)の有罪判決を言い渡しました。男性は上訴しましたが、2025年7月4日、成都市中級人民法院で開かれた二審において一審の判決が維持され有罪判決が確定しました。

 刑事裁判において、男性は、2017年から2021年までの間、複数回にわたりドメインを変更しながら、営利を目的で同サイトの運営を継続していたことが明らかになりました。
 「櫻花動漫」は中国語で運営され、掲載されたコンテンツの多くは中国語字幕が付けられた日本アニメ作品でした。上記期間中、サイトには2100作品(3万話)以上のアニメなどが権利者に無断で配信されており、そのうち、1万話以上がCODA会員社の日本アニメ作品であったことが確認されるなど(※1)、中国における日本アニメの代表的な海賊版サイトとして長年にわたり悪名をはせていました。

「櫻花動漫」のサイト画面
(2020年7月時点、一部画像加工)

 本件は、中国の大手映像配信プラットフォームの運営会社である2社が、日本の権利者より正規ライセンスを受けて配信していた日本アニメ約180作品(約2000話)について、「櫻花動漫」によって無断で配信されているとして、2021年8月に公安局に刑事告発を行ったものです。2社の調査によると、本サイトの2020年6月時点の1日のアクセス数は5万から10万に上っていました。2社は2018年9月18日以降、同サイトの運営者に対して繰り返し削除要請を行ってきましたが、運営者は削除に応じませんでした。また、2社は甚大な被害状況を踏まえ、中国当局に対し3回にわたり行政処罰の申立てを行っており、これを受理した中国行政機関よりさまざまな措置が取られていましたが、男性はその後も侵害を止めることはなく、悪質極まりない対応を継続していました。

 今回、CODAは中国の2社より要請を受け、「櫻花動漫」に掲載されていたアニメ作品に関する日本の被害状況の精査と取りまとめを行い、それに基づき被害を受けた権利者は、CODAが2023年3月より運営する権利者照会データベース(※2)を通じて作品の被害確認をするなど、刑事告発への支援と協力を行いました。

 このように、長期にわたり大量の侵害コンテンツを掲載し続けた悪質なサイトによる被害は甚大であり、今回の刑事摘発および有罪判決の確定が、同様の海賊版サイト運営に対する大きな抑止力となることが期待されます。
 CODAでは今後も国境を超えて関係機関や関係企業と連携し、日本コンテンツの不正利用の一掃のために尽力してまいります。
 なお、この活動は、経済産業省受託事業の一環として行われました。

※1:2021年3月時点の調査による
※2:CODA会員のコンテンツが中国において侵害された際、「権利帰属状況」および「権利許諾の有無」の確認など、中国公安局等からの捜査協力依頼への対応を正確かつスピーディーに作業できるよう構築したシステム

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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