CODAは2011年12月8日、日本コンテンツの海賊版についての集中一斉取り締まりを実施した、中国・上海の行政組織「上海市文化市場行政執法総隊」に対して、現地を訪問して感謝状を贈呈しました。
中国において、日本コンテンツの海賊版に係わる集中一斉取締りが行われたのは今回が初めてとなりました。CODAでは、本件取締りは中国の知財保護強化の具体的な取り組みの表れであり、画期的な成果と考えています。
執法総隊が集中一斉取締りを行ったのは2011年11月14日。上海市内に所在する7軒の海賊版販売店が対象となり、その結果、約20,000枚に上る海賊版DVD等が押収され、このうちの約16,000枚が、日本の放送番組、アニメ等の日本コンテンツの海賊版であることが判明しました。現在も執法総隊による取り調べが続いているため処分結果は不明ですが、少なくとも行政処罰(罰金、没収等)が課される見込み。また悪質な場合は、事件が移送され刑事処罰が課される可能性もあります。
今回の取締りは、会員企業からCODAに、上海市の海賊版販売店舗に関する情報が提供されたことが発端となりました。これを受けたCODAでは、2011年3月、執法総隊に対して最初の取締り要請を行うとともに、先行してCODAが詳細な店舗調査を実施することを伝えました。
9月上旬には、CODAスタッフによる現地調査を行い、上海市内の14店舗において、放送番組やアニメ等の日本コンテンツの海賊版DVDが大量に販売されていることを確認しました。同月下旬、この調査結果を執法総隊に提供し、特に悪質な店舗についての具体的な取締り要請を正式に行いました。
執法総隊ではCODAからの要請を受け、11月14日、これらの海賊版販売店のうちの7店舗において、集中一斉取締りを実施しました。取締りには現地のケーブルテレビ局も同行し、その様子がニュース番組として報道されました。
執法総隊に対する具体的な要請から実際に取締りが行われるまでにかかった時間はわずか2ヶ月であり、CODAではこの迅速な対応を評価して、12月8日に、執法総隊の大隊長に対して感謝盾を贈呈しました。翌9日には、上海駐在の日系メディアに対する説明会も開催し、今回の取締りと感謝盾贈呈の経緯を、参加した7社の報道機関に説明しました。
なお取締り直後の11月25日には、現地で日中両国政府主催による「日本アニメ・フェスティバル上海」が開かれましたが、今林顯一・経済産業省大臣官房審議官(IT戦略担当)による開幕挨拶において、「今後の両国の協力・発展を確実なものとする重要な意味を持つ」として、この取締りについての謝意を表明いただきました。
今回の取締りは、現地での知財保護に関する取り組みが、想像以上にしっかりと機能していることを裏付けました。一方で、海賊版販売店は取締り後も差押えから漏れた海賊版等で営業を続けているとのことで、一度の取締りだけでは、効果は限定的であるとの指摘もされています。
CODAでは、今後も上海における海賊版取締りを執法総隊に要請し、引き続き、日本コンテンツの具体的な権利保護を効果的に実施していきます。