2013年3月12日、台湾の台湾電信警察隊第2中隊により、日本ドラマの海賊版を製造していた「工場」が初めて摘発されました。
これは、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・桐畑敏春代表理事((株)ポニーキャニオン 代表取締役社長))が台湾著作権保護基金会(TFACT)と共に、台湾の大手オークションサイト「露天拍賣」において、日本ドラマの海賊版DVDを専門的に販売していた「TOKYO日劇」の調査を行っていたところ、台中市の夜市で実店舗を構える「逢甲日劇」との繋がりが判明したことより、台湾電信警察隊第2中隊に取締りを要請していたものです。
今回、その関連箇所の捜索により、日本ドラマの海賊版の製造拠点が初めて摘発されました。また、台湾のオークションサイトにおいて、日本ドラマの海賊版販売が摘発されたのも今回が初めてです。
取締同日に行われた店舗の家宅捜索では、1,781枚の海賊版DVDが押収されたほか、店主の女性の自宅からも99枚の海賊版DVDが押収されました。また、海賊版の製造工場兼倉庫として使われていたマンションの一室からは、5,497枚の海賊版DVDやデュプリケーター(DVD複製機)、パソコン、プリンター等が押収され、「逢甲日劇」の店主の女性1人と協力者の女性1人が逮捕されました。
CODAでは、TFACTの協力を得て、台湾の保護智慧財産権警察(IPR警察)大隊に海賊版販売店舗の取締りを要請しており、2011年11月から2012年3月にかけ、台北市を中心に、連続して5件の取締りが実施されました。この摘発により、台湾国内の海賊版販売店が営業を休止するなどの大きな成果があった一方で、海賊版販売行為がオンラインへと移行・潜在化することが予想されました。そこで、CODAとTFACTではサイバーパトロールを実施し、インターネットオークションにおいて日本ドラマの海賊版販売が行われていることを確認しました。このサイバーパトロールによって発見された出品者である「TOKYO日劇」を調査したところ、海賊版販売店「逢甲日劇」との関係が明らかになりました。
「TOKYO日劇」のオークションでの販売状況を確認すると、店舗の取締りが強化されていた時期である2012年1月から日本ドラマの海賊版売買が活発になっており、取締りが行われた時点では、1枚当たり100台湾ドル(約300円)で出品を行っていました。
その後の2012年11月、海賊版の拠点と言われていた台北市の「光華商場」における一斉取締りが行われた際、「逢甲日劇」は店舗での営業を停止しましたが、翌12月より、夜間のみ営業するスタイルで店舗での販売も再開していました。
海賊版販売が行われていたオークションサイト「露天拍賣」は、台湾国内ではYahoo!に次いで利用者数が多く、また日本コンテンツについては、台湾国内で最も出品数が多いオークションサイトです。取締り以前にTFACTが行った調査によると、「露天拍賣」では、日本コンテンツの海賊版を出品する約120のアカウントが確認されています。
CODAでは引き続き、台湾における海賊版販売の状況を注視しつつ、効果的な取締りをTFACT、IPR警察、その他関連検察・警察部署とともに実施していきます。
なお、この取締りは、経済産業省委託の「知的財産権侵害対策強化事業」の一環として行われました。