一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・桐畑敏春代表理事((株)ポニーキャニオン 取締役相談役))に入った情報によると、中国・成都市公安局は2015年4月15日、「深圳市漫游文化科技有限公司」が運営・管理するウェブサイト「愛漫画(imanhua.com)」において、漫画作品を無断でアップロードし送信できる状態にしていたとして、同社の責任者3人を著作権法違反の疑いで逮捕しました。現在の検察による裏付け捜査等が終了した段階で、被疑者3人に対する第一回公判が近日中に開かれる見込みです。
2009年に開設された「愛漫画」では、日本、韓国、アメリカなどの漫画作品を含む6,000作品が掲載されており、その多くが無許諾でアップロードされていました。 今回の容疑としては、(株)集英社が権利を有する漫画作品「ONE PIECE」、「NARUTO -ナルト-」などを無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにしていたものです。
「愛漫画」については、著作権侵害が度々問題視されており、無許諾でアップロードしているコンテンツの削除や、行政処分の罰金が科されるなどして、一時的な閉鎖と再開を繰り返していました。
CODAは、2013年度より経済産業省の事業の一環として、出版社や弁護士などから成る「出版海賊版対策有識者委員会」を設置し、出版物における著作権侵害対策などにも力を入れてきました。今回、CODAは、成都市公安局より、「愛漫画」において日本の漫画作品が侵害されているとの連絡を受け、(株)集英社をはじめとした日本の出版社5社から、「愛漫画」に対して使用許諾を行っていないことなどを確認した通知書を取りまとめて提出しました。
そして4月15日、成都市公安局の特別捜査チームは、上海、蘇州、揚州等の各地に存在する「愛漫画」のサーバー、パソコン19台、複数枚の銀行カードなどを押収し、責任者3人を逮捕しました。公安局によると、同社はこれまでに180万元(約3,600万円)を売り上げていたとみられています。
また、この案件に対しては、中国公安部が成都市公安局にエリアを超えての捜査を可能とする「指定授権書」を発行したり、国家版権局が四川省の版権局に特別予算を措置するなど、中国政府も各方面から力を注いでいます。
CODAは今後も引き続き、現地政府機関、業界団体、事業者等との関係構築を行い、海外における効果的な著作権侵害対策を行ってまいります。
なお、この取締りは、経済産業省委託事業の一環として行われました。