一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・島谷能成代表理事)に入った情報によると、香港の知的財産権侵害に関する捜査機関である香港税関は、2017年4月6日と19日、香港九龍(カオルーン)半島の油麻地(ヤウマテイ)内「テンプルストリート」(※1)に所在する海賊版販売店について、4月6日に11軒、19日に4軒の計15軒への取締りを実施し、これらの店舗で海賊版を販売していた26~79歳の男性計17人を逮捕しました。
この取締りの結果、234,113枚の海賊版DVD等が押収されました。うち日本コンテンツは1,200枚以上と報告されており、日本のアニメ、ドラマ、映画なども数多く含まれていたことを確認しています。今回の取締りによって押収された海賊版の販売額は756,184.99USドル(8,500万円以上)相当にものぼるものと推計されます(※2)。
CODAは2005年以来、香港税関と定期的な会合等を通じて海賊版排除における協力を推進してきました。今回の対象となった油麻地の「テンプルストリート」は、ここ数年一般作品の海賊版が販売されるようになった店舗が多く、香港税関とともに監視地区として取締りの対象としていました。過去には旺角(モンコック)地区で有名な海賊版販売店が入居するビルとして知られていた「信和中心」や香港島の湾仔(ワンチャイ)に所在するビル「東方188商場」を監視対象として、香港税関の度重なる取締りが行われた結果、日本コンテンツの海賊版を一掃することに成功しています。
香港税関との協力関係のもと、香港において日本コンテンツの海賊版が確認されれば、すぐに取締りが実施される体制を維持してまいります。
なお、この取締りは、経済産業省委託事業の一環として行われました。
- 「テンプルストリート(廟街)」はティンハウ廟へつながるいわゆる仲見世通り。
- モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)の2017年4月時の調査による香港の海賊版DVDの平均販売単価が3.23USドル。これに押収DVD数234,113枚を乗じ、756,184.99USドルと算出した。日本円で86,220,212.56円相当(2017年5月10日現在)。
【参考】
香港政府広報(広東語)
http://www.customs.gov.hk/tc/publication_press/press/index_id_1845.html