CODAに入った情報によると、台湾・台湾台中地方検察署、台湾桃園地方検察署、電信偵査大隊(第一隊、第二隊)、保安警察第二総隊刑事大隊(偵一隊、偵二隊)は、2021年1月14日から2月1日にかけ、台湾国内や日本で放送されているテレビ番組を権利者に無断でインターネットを通じて不正ストリーミング機器(ISD)に送信していた犯罪組織の9人を逮捕し、2月5日に記者発表を行いました。
発表によると、本件の被害相当額は、10億台湾ドル(約37億7,000万円)以上に上るとみられています。
ISDは、インターネット上に違法アップロードされた動画をテレビで視聴するための機器で、世界中で販売され大きな問題となっています。台湾ではこれまでもたびたび販売者らの摘発が行われてきました。
今回、台湾の捜査機関は、これらISDにテレビ放送番組を違法に送信する行為を取り締まることで犯罪を阻止しようと、2020年初めころから専門チームを設置し、市場で販売されているISDを数カ月に渡り調査していました。
調査の結果、新北市、桃園市、台中市など計18カ所の販売店や通信機器ルームに対して家宅捜索が行われ、ISD778台、サーバ9台など、総額約1,200万台湾ドル(4,500万円)相当以上の証拠品が押収されました。
押収されたISDを調査した結果、台湾国内、そして日本のテレビ放送が視聴できることが確認されており、日本のテレビ局については、CODAを通じてその事実を確認しています。犯罪組織は、国内の電気通信機器ルームに設置されたネットワークサーバなどを通じて、各大手テレビ局の放送信号を解読し、インターネットを通じてISDに送信していたとみられています。
刑事警察局電信偵査大隊は、ISDを通じてテレビ番組を不正に視聴する行為について、「放送局の制作コストを無駄にするのみならず、自身のネットワークに不正機器や違法アプリを接続することでセキュリティーに穴を開け、ハッカーの侵入やネット攻撃を助長する。ささやかな利便性のために、出所の怪しいISDを使用して、個人情報の漏洩につながるような行為は避けましょう」と注意を呼び掛けています。