お知らせ インターネット上の著作権侵害の実態/CODA活動報告会を開催

 CODAは2023年4月21日、参議院議員会館講堂にて「インターネット上の著作権侵害の実態/CODA活動報告会を開催」を開催し、CODA会員社、コンテンツホルダー、各府省庁、メディアなど多くの方々にご参加いただきました。
 CODAでは、2021年9月、2022年7月にも同様の報告会を開催しており、今回が3回目となります。

前列左から 赤松健先生、甘利明先生、山下貴司先生、
後列左から小山紘一弁護士、後藤健郎代表理事、中島博之弁護士

 当日は開催にあたりごあいさつとして、衆議院議員の甘利明先生(自民党知的財産戦略調査会顧問、コンテンツ産業振興議員連盟会長)より、「海賊版対策についていい事例が連続している。世界共通の倫理として、著作権を守るということが共有されていく大きな一歩となった」と述べられ、CODAが実施する各種対策について評価をいただきました。また、衆議院議員の山下貴司先生(デジタル社会推進本部副本部長、クールジャパン戦略推進特命委員会事務局長)より、「国会においても著作権侵害を許さないという意思でさまざまな検討をすすめている。著作権を守ることはクリエーターをはじめ日本の文化を守ることである」と海賊版対策の重要性について述べられました。さらに、クリエーターとして活躍されている参議院議員の赤松健先生(公益社団法人日本漫画家協会常務理事)より、「日本コンテンツが海外で人気を博している今こそ、国際的な摘発による海賊版対策と正規コンテンツ流通促進の実現を目指す必要がある」と今後への期待を述べられました。

 報告会では、まず始めに「インターネット上の著作権侵害の現状と課題について」として、弁護士の中島博之先生(東京フレックス法律事務所)より、成功例としての「漫画BANK」行政処罰の事例や、海賊版をめぐる新たな問題点を解説のうえ、国際執行の重要性や官民連携した海賊版対策の必要性についてご発表いただきました。
 続いて、弁護士の小山紘一先生(骨董通り法律事務所)より、デジタルへシフトするコンテンツ市場における、グローバルな視点を踏まえた今後の海賊版対策ついてご発表いただきました。

 また、CODA事業本部各担当部長から、「2022年度調査・オンラインで流通する日本コンテンツの海賊版被害額調査結果」について、最近の摘発事例紹介として「中国:日本人向けアニメの最大級海賊版サイト『B9GOOD』刑事摘発」、「ブラジル:「アニメ作戦」による海賊版サイトの閉鎖」について発表したほか、「若年層に向けたPBL型教育プログラム『10 代のデジタルエチケット』提供の開始について」として、CODAが10代の若者たちに向けて開発した、コンテンツの正規流通と著作権侵害に関する理解促進を目的とした教育プログラムをご紹介しました。

 その後、CODA代表理事の後藤から総括として、CODAが2021年より取り組んでいる国際執行プロジェクト(CBEP)における、インターネット上の侵害発見から運営者情報調査、運営者特定、摘発、刑事・民事訴訟という海賊版対策のワンパッケージ化について、そしてそれらに生じる課題についてご説明しました。

 最後に行われた質疑応答では、赤松健先生をはじめメディアの方々から巧妙化する海賊版サイトの問題に関する多くの質問が寄せられ、著作権侵害の被害に関する注目の高まりが伺えました。
 CODAの取り組みに関しては、3月28日には、磯崎仁彦官房副長官が定例の記者会見において、中国のB9GOODの摘発に関する質問に対し「CODAが2021年度より経済産業省の支援を受けてスタートした海賊版サイトの運営者を特定するための国際執行による取り組みによる成果であり、大変画期的」と回答されたほか、4月21日の松野博一官房長官の定例の記者会見においては、ブラジルのアニメ海賊版サイトの摘発に関する質問に対し「CODAのような民間の権利者団体は重要な役割を果たしている」と言及されるなど、高い評価を得ています。

 CODAがCBEPを発足してから今年度で3年目を迎えます。今後も引き続き、これまで着実に積み上げてきた実績をもとに、実効性を継続的に向上し、インターネット上の著作権侵害に対する効果的な対策を実施してまいります。

報告会での発表の様子
開催にご協力いただいた山田太郎先生
会場の様子

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