著作権侵害 京都府警、「リーチサイト」の一斉集中取締りを実施

 京都府警察本部サイバー捜査課と山科警察署は、5つの「リーチサイト」に対する一斉集中取締りを実施しました。
 今回対象となったのは、日本国内にサーバーを置く動画のリーチサイトとしては最大級の規模であった「映画の無料動画で夢心地」を含む合計5サイトで、40~59歳の男性4名(1名は2サイトを運営)をそれぞれ2023年5月8日までに検挙したとのことです。
 「リーチサイト」とは、違法にアップロードされた侵害コンテンツに公衆を誘導するサイトのことで、男性らは、洋画、邦画、劇場版アニメ、テレビドラマなどのさまざまなコンテンツのリーチサイトを運営していました。

 2020年に著作権法改正によりリーチサイト規制がされて以来、CODAで把握している摘発事例は今回を含め以下の通りです。

NO摘発日取締機関主な 対象コンテンツ発表摘発対象(年齢は逮捕時)
今回の京都府警による摘発
12023年5月8日京都府警映画CODA/JVA京都府の男性(59歳)
2京都府警テレビドラマ大阪府の男性(52歳)
3京都府警映画
4京都府警映画佐賀県の男性(42歳)
5京都府警アニメ東京都の男性(40歳)
リーチサイト規制がされて以来、CODAで把握している摘発事例
12020年11月19日京都府警アダルトビデオIPPA大阪府の男性(47歳)
京都府の男性(44歳)
22022年1月24日警視庁アダルトアニメ 茨城県の男性(37歳)
32022年2月1日群馬県警映画CODA大阪府の男性(50歳)
42022年2月3日警視庁漫画小学館埼玉県の男性(34歳)
52022年7月7日群馬県警映画CODA山形県の男性(51歳)
62022年9月29日北海道警アニメCODA東京都の男性(57歳)
72022年11月15日
2022年11月29日
宮城県警アダルトビデオIPPA東京都の男性(50歳)
↑ が代表の運営会社

 なお、今回摘発された2つのリーチサイトは、CODAが中国で刑事告発を行って今年3月に閉鎖されたB9GOODの動画に対してリンクを張るなどしていました。

 摘発されたサイトのうち、最大のアクセスを集めていた「映画の無料動画で夢心地」は、Similarweb調査によると2021年3月~2023年2月までの月間平均アクセス数は200万に上っていました。CODAが把握している限りでは、「映画の無料動画で夢心地」は2011年ごろ別のドメインで開設され、複数回のサイト凍結を経て、2015年ごろから現在のドメインで運営を続けていました。
 2022年1月時点で少なくとも約2万点の洋画、邦画、劇場版アニメの動画が大量に紹介されていたとみられます。
 「映画の無料動画で夢心地」にはアダルト系を中心に大量の広告が掲載されており、運営者はここから収益を得ていたものとみられます。

「映画の無料動画で夢心地」トップページ(一部画像加工)

 5月8日に逮捕されたこの運営者は、東映株式会社ほか6社が著作権を有する『劇場版 仮面ライダーリバイス』や、東宝株式会社ほか4社が著作権を有する『劇場版 呪術廻戦 0』など動画データを海外サーバーにアップロードし、「映画の無料動画で夢心地」においてそれらの動画データへのリンクを提供して公衆を誘導していました。

 リーチサイトは、リンク集であり違法アップロード自体は行っていないこと、またコンテンツの削除要請については違法アップロード元に連絡するよう記載することで責任がないことを説明しているサイトもありますが、本来、違法コンテンツに「誘導」するコンテンツがなければ、ユーザーが違法コンテンツにアクセスすることは難しい場合も多く、これらリンクを集めることで広告収入を得ているリーチサイトは、海賊版サイトと同等に悪質なものであると考えています。

 CODAは引き続き著作権の適正な保護と健全な正規流通の促進のために活動してまいります。

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