著作権侵害 映画のリーチサイト、運営者を逮捕

 群馬県警察本部サイバー犯罪対策課と前橋警察署は、2022年2月1日、違法にアップロードされた侵害コンテンツに公衆を誘導する「リーチサイト」を運営していた男性1名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
 男性は自身が運営するリーチサイトに、別のサイトに違法にアップロードされた東宝(株)が著作権を有する「天気の子」、東映(株)が著作権を有する「犬鳴村」へのリンクを提供し、公衆を誘導していました。
 2020年10月1日に著作権法が改正されリーチサイト規制が施行されて以来、京都府警によるアダルトビデオ、警視庁によるアダルトアニメに関する摘発が行われたとそれぞれ報道されていましたが、成人向け以外の一般の映画作品についての摘発は、今回が全国で初めてとなります。

 男性が運営していたリーチサイトには、邦画約2,500 作品、洋画約3,500 作品、合計約6,000 作品の映画・ドラマについて、違法コンテンツへのリンクが提供されていました。侵害コンテンツは、海外のオンラインストレージサイトにアップロードされているもので、ストリーミング再生が可能となっていました。リンク先の1つが削除されても、別のリンクが機能するよう1つの作品につき複数の違法アップロードへのリンクが設置されていました。
 サイトにはアダルト系の広告が複数掲載されており、広告費を稼ぐ目的で運営がされていたものとみられます。

 リーチサイトによる被害は直接違法アップロードを行う海賊版サイトと同様に深刻であり、CODAでは2016年2月の「知的財産戦略推進本部・次世代知財システム検討委員会」でその規制を求めるなど、長期間にわたりこの著作権法改正を要望してきました。
 2020年10月にリーチサイト規制が施行されて以来、日本国内にサーバーを置く複数のリーチサイトが閉鎖するなどの大きな効果が表れています。
CODAは、権利侵害を続ける悪質なリーチサイトが摘発されたことが同様のサイト運営の抑止につながるものと期待し、コンテンツが適正に保護される健全な正規流通の促進のために尽力してまいります。

ニュース一覧へもどる