著作権侵害 ガイドライン違反の「ゲームプレイ動画」アップローダーに有罪判決

 YouTubeを通じてゲームプレイ動画やアニメを権利者に無断でアップロードし、著作権法違反の疑いで宮城県警察本部と南三陸警察署に逮捕、その後起訴された被告人の男性に対し、9月7日、宮城県仙台地方裁判所で開かれた第二回公判において、懲役2年・執行猶予5年・罰金100万円の有罪判決が言い渡されました。

 8月2日に開かれた初公判で男性は起訴内容を認めました。著作権を侵害することは分かっていたが、金銭目的で投稿を続けてしまったとのことでした。

 男性は、2022年、(株)ニトロプラスらが著作権を有するゲーム「シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりん」がガイドラインで禁止しているゲームのプレイ動画(エンディングを含む1時間程度のもの)をYouTubeにアップロードしていました。また、 (株)KADOKAWAらが著作権を有するアニメ「シュタインズ・ゲート」、東宝(株)らが著作権を有するアニメ「SPY×FAMILY」の動画を、それぞれ権利者に無断で編集し、字幕やナレーションを付けたいわゆる「ファストコンテンツ」もYouTubeにアップロードしていました。いずれも内容や結末(ネタバレ)を含む動画を権利者に無許諾で投稿し、著作権侵害行為の上で多くのアクセスを集め、広告収益を不当に得ていた悪質な事例と言えます。

 本年3月、文化庁主催で初めて「ゲーム実況・ゲーム配信に係る著作権セミナー」が開催されるなど、政府においても人気を集めているゲーム実況・配信に関するルールの啓発を行っております。CODAとしましては、今回の判決は、昨今問題視されているガイドライン違反の「ゲームプレイ動画」投稿の、さらなる被害の拡大を防ぐための大きな成果として捉えています。アニメの「ファストコンテンツ」も同様に、クリエイターらが時間、労力、費用をかけて制作した著作物を無許諾で利用し、広告収入を不当に得る行為は決して許されることではありません。また、ネタバレを含む内容の投稿は、物語性のある著作物にとって重要な核心の露呈であり、権利者への被害・影響は甚大です。
 CODAでは、今後も引き続き日本コンテンツの不正利用の一掃に努め、コンテンツが適正に保護される健全な正規流通促進のための取り組みを進めてまいります。

■参考リリース:ガイドライン違反の「ゲームプレイ動画」アップローダーを逮捕
 https://coda-cj.jp/news/1531/

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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