著作権侵害 無許諾で辞書データのサービスを提供する中国サイト「Sora」が閉鎖

 CODAは、2024年4月25日、日本で出版されている複数の辞書のデータおよび検索機能を無許諾で提供し、数多くのアクセスを集めていた中国サイト「Sora」が閉鎖されたことを確認しました。閉鎖が確認されたのは「Sora」のメインページ(sakura-paris.org)および実際に辞書の検索機能を提供していた辞書ページ(sakura-paris.org/dict/)です。

 「Sora」は、各権利者に無断で蓄積した膨大な量の日本語辞書の内容を基に、検索窓に日本語の単語を入力することで、その意味や用法などを表示させる辞書サイトで、数多くのアクセスを集めていました。「Sora」で検索可能な日本語辞書は37に上り、また、「Sora」の一部は、中国国内からはアクセスすることができないようジオブロッキング(地域視聴制限)を施し、中国国内で「侵害実態がない」状況を装い日本人をターゲットに運営を行っていました。

 権利者である会員社が「Sora」に対する情報開示請求を行った結果、運営者と思われる人物が中国在住であることが明らかになりました。その情報を基にCODAに相談が寄せられ、2024年3月初頭、CODA北京事務所から男性が居住する南京市の公安局に苦情申立書を提出しました。3月から公安局による男性への事情聴取が実施された結果、男性の行為が著作権侵害に当たるとして同サイトを閉鎖するよう警告が行われました。事情聴取において男性は同サイトの運営を繰り返し否認していましたが、警察官が複数回注意指導した結果、4月25日にサイトの閉鎖が確認されました。

 CODAは、今後も著作権の適正な保護に努め、引き続き同様のサイトにおける有効な対策を講じてまいります。

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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