著作権侵害 中国の違法漫画配信サイト、被告3名に有罪判決

 一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・島谷能成代表理事)に入った情報によると、中国で違法漫画配信サイトを運営していた著作権侵害事件について、成都市温江区法院(裁判所)は2017年2月、主犯とされる取締役男性A・Bに対しそれぞれ懲役3年・執行猶予4年・罰金100万元(約1,600万円)、従犯とされる代表取締役男性Cに対して懲役2年・執行猶予3年・罰金50万元(約800万円)の有罪判決を言い渡しました。
 これは、海外権利者の漫画配信による著作権侵害事件として、中国で初めて刑事事件化されたものです。

 男性らは、2014年8月に「深圳市漫遊文化科技有限公司」を設立。男性Bが設置した漫画配信サイト「愛漫画(imanhua.com)」に、男性Cが収集した漫画作品を権利者に無断でアップロードし、不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにしていました。「愛漫画」にはアフィリエイト広告のリンクが設置されており、男性らはこれにより、8カ月の間に180万元(約2,880万円)を得ていました。

 成都市公安は2015年4月15日、上海、蘇州、揚州等の各地に存在する「愛漫画」のサーバー、パソコン19台、複数枚の銀行カードなどを押収し、2015年5月30日から6月20日にかけてデータの分析を行いました。この結果を受けたCODAは、日本の漫画5,216作品を確認したほか、(株)集英社をはじめとした日本の出版社5社から、「愛漫画」に対して使用許諾を行っていないことなどを確認した通知書を取りまとめて提出しました。報道によると、そのほか中国IT大手の騰訊(Tencent)が著作権を有する美術6作品、韓国の漫画23作品も無断に配信されていたことが確認されています。

 なお、このCODAの活動は、経済産業省委託事業の一環として行われました。

【参考】
中国の違法漫画配信サイト、責任者3人を逮捕

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