著作権侵害 台湾:新たな手法による違法アプリを刑事摘発、運営者3名を逮捕

 CODAに入った情報によると、台湾台中地方検察署、台湾台南地方検察署、刑事警察局(CIB)知的財産権偵査大隊は、2024年9月6日と10月29日、台中市太平区、台南市安平区と新竹県竹北市で複数の違法アプリのダウンロード方法を掲載した記事や記事へのリンクを提供していたサイト運営者の拠点を家宅捜索し、これらアプリを通じて日本などの放送番組を権利者に無許諾でユーザーに提供していた被疑者3名を逮捕しました。これを受けて12月3日、刑事警察局(CIB)は、本件に関する記者発表を行いました。

 家宅捜索では、違法アプリに関する記事53件、違法アプリ25種類、USBメモリ2本、iPad1台、携帯電話1台、メモリーカード1つ、著作権法違反に関連する電磁記録(掲載記事一覧やWeChatのスクリーンショット)などが押収されました。

 捜査によると、これらアプリは動画視聴アプリとは無関係な合法アプリを装いAppleのApp Storeの審査を通過していましたが、ユーザーが特定のキーワードやコマンドを入力すると海賊版コンテンツを視聴可能なアプリに切り替わる仕組みであったことが分かっています。被疑者らは運営するサイトにこれらアプリのダウンロードを誘導する記事を掲載した上で、40万人以上のフォロワーを持つ有名インフルエンサー2名を通じてサイトを宣伝し、多くの閲覧者を集めて広告収入を得ていました。
 掲載された記事の総閲覧数は55万件以上あり、違法アプリの中には数百本の無許諾に提供された映画、ドラマ、アニメ、バラエティー番組、ドキュメンタリーなどが含まれていました。被害額は6億台湾ドル(約28億円:12月3日現在)を超えるものと推定されています。

 今回の事件を受け、警察は認証済みの安全なサービスを利用することや、著作権を侵害する行為に加担しないよう注意を呼びかけています。
 なお、この活動は、経済産業省受託事業の一環として行われました。

捜査の様子①
     捜査の様子②
刑事警察局(CIB)知的財産権偵査大隊(偵二隊)隊長 古三民氏

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CODAについて
CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は、2002年に日本コンテンツの海外展開の促進と海賊版対策を目的として、経済産業省と文化庁の呼びかけで設立されました。音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム、出版などの日本が誇るコンテンツは、日本の国際プレゼンス向上や経済成長の一翼を担っています。デジタル技術の普及が進む今日、巧妙化する著作権侵害から日本のコンテンツ産業を守り、その発展を図ることが一層重要になっています。その中でCODAは、国内外の関係政府機関、団体、企業と叡知を結集し、権利侵害への直接的、間接的な対策や広報啓発活動などに取り組むことで、オンラインを含めた海賊版の抑止や摘発に貢献しています。具体的な事業内容はhttps://coda-cj.jp/activity/から。

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