2015年6月1日~4日、CODAは、総務省事業の一環としてASEANの9か国から放送・通信の関係者を日本に招聘し、「ASEAN地域における放送コンテンツの正規流通促進ワークショップ」を開催しました。
このワークショップは、ASEAN地域における放送コンテンツの正規流通に向け、ASEAN加盟各国及び日本におけるインターネット上での放送コンテンツの不正流通対策に関する情報共有及び当該対策に係る各国間の人的ネットワークの構築を目的としています。
今回は、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシアの放送所管省庁や通信所管省庁、及びASEAN事務局より、代表者計15名が参加しました。このようにASEAN各国の放送・通信の所管省庁等を招へいし、コンテンツの不正流通対策や正規流通促進についてワークショップを開催するのは、今回が初めての試みとなります。
ワークショップ1日目、2日目では、日本側から、
①通信・放送制度関係の概要(総務省)
②日本国著作権法の概要(文化庁)
③放送番組の海外展開の概要(一般社団法人放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ))
④国境を越えた著作権侵害への対策(CODA)
について説明がなされるとともに各国代表者によるカントリーレポートの発表が行われました。発表内容を踏まえた意見交換では、ボーダーレスなオンライン侵害に対応するための国境を越えた協力体制の必要性、著作権の普及を目的とした若者への啓発や教育の重要性が確認されました。
3日目、4日目には、我が国の放送事業者としてNHK、TBS及びWOWOW、そして著作権権利者団体としてRIAJを視察・訪問しました。NHK、TBS、WOWOWでは各放送機関の海外展開、放送コンテンツの共同製作や侵害対策の取り組み等についてご説明いただきました。更に、8K映像の鑑賞やスタジオ見学等も視察することができ、ワークショップ参加者からは我が国放送の技術の高さ、制作規模に関心が寄せられました。また、RIAJでは、音楽の集中管理事業や侵害対策に関しご説明いただき、そこで上映された消費者啓発ビデオ「GOOD CLICK」が参加者の感心を集めました。
最終日に行われたまとめミーティングでは、今後もこのような取り組みを継続して行う事の重要性が、主催者及び参加者によって改めて確認されました。 CODAは2014年度よりASEANにおける著作権普及・保護活動に向けた関係構築に取り組んでおり、この度のワークショップの更なる展開に携わる事で、ASEAN諸国の政府機関や関連団体とのつながりをさらに深める事を目指して参ります。